2013年4月24日水曜日

立石百景(葛飾立石)その3  〔倉井ストアー〕


前回のブログでは公衆トイレを紹介したが、吞んべえ達のトイレがもう1ヶ所あるらしい。
そのトイレの場所を書いてよいものか迷ったのだが、呑み仲間の冗談としておこう……
と思いつつも、臆病な私は、そのトイレを『Iト−Yカドー内のトイレ』と、ややフィルターをかける。




千住店につづき、2番目に古い立石店のIトーYカドーではあるが、千住店は店名が変わった為、Yカドーとしては最も古く、小さい。

立石店とは違い、隣り駅のYカドー四ツ木店は5階建てと規模は大きいものだが、
総資産9000億を越えるこの会社も、始めはこんなにも小さい平屋の小売店だったのかと思うと元気が出る。





さて、今回の主役は四ツ木のYカドー近くにある倉井ストアー。





元々は肉屋であったが、四ツ木のYカドーとの競争には勝てないという理由で、店舗の棚を半分撤去し、食堂として再スタートした。




店の出入り口が左右に2つあり、左の入口から入ると左側に冷蔵ケースがあり、その
すべてに清涼飲料水と缶ビール、酎ハイ系がずらりと並ぶ。

店舗の奥には全体の3分の1ほどを占める厨房と、総菜や肉(肉屋も兼ねている)
のショーケースがあり、ショーケースの上には弁当とつまみ、おかずがランチタイムから
ところ狭しと並ぶ。

店舗中央には、飲料ケースと向き合う形になる仕切りがわりの壁があり、仕切りの向こう側にイートインスペースを設けている。
もう片方の出入り口からでも入れるが、正しい入り方は左側入口から入り、酎ハイを選び、ショーケース上のつまみを選び、もしくは品書きから注文し、イートインへと逆Uの字で向かう。



肉質の良さ、肉屋ならではの揚げの技術が見事なつまみは、昭和風スパゲッティーナポリタンもおすすめだが、やはり揚げ物。選んだ、もしくは注文したつまみで、テーブルの上は、たちまち茶色い食品に支配される。









別売りのロックアイスを注文し、コップに缶アルコールを注ぎ、仕切りの壁に無理矢理
埋め込んだ地デジ非対応のTVを見ながら、あるいは周囲の客を観察しながら、古びた温もりの空間に癒されながら呑む酒は、値段の安さも助け、一日中居ても飽きがこない。






絵のネタを探すための独り遊びが好きだが、立石人間は嗅覚が優れているのか、
開店午前9:30から呑むと、誘っていないにもかかわらず、閉店午後8:30までには大勢の呑んべえ仲間が私の周りを囲むことになる残酷物語。
(私はその日を、倉井ストアーではなくCry storeの日と呼んでいる)



大勢で呑むと、当然飲み干した缶がピラミッドになるが、ひとつ大きな発見があった。



テーブルの短辺に缶が9本、長辺には12本それぞれぴったりに並び、それらを掛け算すると、9×12=108、、、煩悩の数になる。
テーブルは全部で7つあるが、すべて煩悩テーブルのサイズ。
一度は108缶並べてみたいものだ。




閉店後、仏顔の店主が、お経の癒しのかわりに一缶一缶、ひとつひとつ煩悩を片付けている姿を想いながら、その日は深海の如く、深く、静かに眠るのである。











※今回は添付用の絵が間に合わず失礼致しました。
 個展の際には登場します。                講師  平賀 太郎




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