場所は箱根湯本にあり、個人美術館で温泉付きというのはおそらくここだけで、亡き父、平賀敬も愛した源泉掛け流しの風呂がある築100年の館内には、彼の二十歳の頃の油彩画から絶筆まで40点ほど常設しています。
[平賀 敬 書に遊ぶ]です。
亡くなる10年ほど前に大磯から箱根に移り住んだ父は、絵よりも書を多く残しました。
俳句、短歌、漢詩、書が好きな事もあって、観光地としては敬のエロチックな作品よりも、むしろ書や看板の字などを頼まれる機会が多く、おのずと書が増えて行きました。
書の道の心得は決して多くはない父ではありましたが、字統(字源字典)を彼からプレゼントされた時から、彼の書は書道家のものではなく、画家の書、絵だと思うようになりました。
ここで少々、添付のポスターにある書の解説をします。
●左上 夏爐冬扇(かろとうせん)
夏の炉、冬のおうぎ=私のような、使い物にならないことを意味します。
●右上 柚子満載 四 t トラック横転す
自作の俳句です。豪快さの中にも小さな黄色たちが弾け飛ぶ美しさがあります。
●右中 花火三千 行灯海月溺れけり
自作の俳句です。あんどんクラゲは派手に光る行灯型のクラゲ。
三千発の派手な花火に嫉妬したか、気圧されたか、さもなければ…
クラゲは彼自身で、花火は遊郭の花魁か?
●下 自作の漢詩です。
一日中飲んでいる酒飲みの事が書かれています。
何が書かれているのか、どういった意味なのかが分からないものでも、絵や書は充分に楽しめる世界だと思います。
お近くにお越しの際は、温泉のついでに敬の書と戯れて下されば幸いです。
講師 平賀 太郎
※追伸
京橋で平賀敬コレクションⅢという企画展があります。
こちらも是非ともよろしくお願い致します。
書の道の心得は決して多くはない父ではありましたが、字統(字源字典)を彼からプレゼントされた時から、彼の書は書道家のものではなく、画家の書、絵だと思うようになりました。
ここで少々、添付のポスターにある書の解説をします。
●左上 夏爐冬扇(かろとうせん)
夏の炉、冬のおうぎ=私のような、使い物にならないことを意味します。
●右上 柚子満載 四 t トラック横転す
自作の俳句です。豪快さの中にも小さな黄色たちが弾け飛ぶ美しさがあります。
●右中 花火三千 行灯海月溺れけり
自作の俳句です。あんどんクラゲは派手に光る行灯型のクラゲ。
三千発の派手な花火に嫉妬したか、気圧されたか、さもなければ…
クラゲは彼自身で、花火は遊郭の花魁か?
●下 自作の漢詩です。
一日中飲んでいる酒飲みの事が書かれています。
何が書かれているのか、どういった意味なのかが分からないものでも、絵や書は充分に楽しめる世界だと思います。
お近くにお越しの際は、温泉のついでに敬の書と戯れて下されば幸いです。
講師 平賀 太郎
※追伸
京橋で平賀敬コレクションⅢという企画展があります。
こちらも是非ともよろしくお願い致します。
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